特定社会保険労務士たちばな事務所
特定社会保険労務士
たちばな事務所
ブログ
大阪労働局(西岸正人局長)は、メンタルへルス対策の実態調査に基づき、事業場に対する個別指導に乗り出した。
実態調査では、事業場内メンタルヘルス推進担当者の選任率や、管理職・労働者双方に対する教育研修の実施率が2割にとどまるなど、組織的な取組みが低調であることが判明した。
とくに取組みに遅れがめだつ事業場には、集団指導だけでなく直接訪問によるアドバイスが急務とみている(労働新聞)。
すでに当ブログでもご案内の通り、厚生労働省では法改正に向けた検討会を立ち上げ、早々の改正法施行を目指しています。
各企業においても、現在、メンタルヘルス不調の従業員がいる・いないということではなく、あらかじめ対策を練っておく必要があります。
就業規則等にもメンタルヘルス不調となった従業員への対応方法、特に「休職」についてキチンと規定しておくことをお勧めします。
過労死などで社員が労災認定を受けた企業名を情報公開しないとした大阪労働局の決定の適否が争われた訴訟の判決で大阪地裁は今月10日、「公開しても社員のプライバシーや、企業の信用を傷つける恐れはなく、不開示は違法」と判断し、労働局の決定を取消しました。
訴えたのは「全国過労死を考える会」の代表の京都市在住の女性で、厚生労働省が時間外労働などの過労死基準を設けた2002年~08年度を対象として、情報公開法に基づき、大阪労働局管内で過労死認定された社員のいる企業名の開示を09年3月に求めたところ、労働局が『個人名が特定される恐れがある」などと不開示を決めたため、同年11月に提訴したものです。
判決は、企業名が開示されても、その企業で労災補償給付を申請した社員名など具体的な情報を得ることは一般的には不可能で、個人を特定することはできないと指摘したうえで、「開示されれば、取引先の信用を失いなど社会的信用を著しく低下させる」との労働局の訴えについても、「抽象的な可能性に過ぎない」と退けました。
原告側弁護団によると、企業名の情報開示を認めた判決は初めてで、「企業側が社会的監視にさらされることで、過労死を無くす努力をより強く求められることになる。健康管理体制の改善につながる画期的な判決だ。」と評価しています。
企業には、従業員の健康と安全を守る義務があるため、過労死(過労自殺)が起こってはならないことは言うまでもありません。
しかし、気御油名が開示された場合、その企業の社会的ダメージは免れないと思います。
これを裁判所が「抽象的な可能性」と片づけたことには疑問を感じます。
いずれにしても、このような判決が出たことで、今まで以上に安全配慮義務に注意を払う必要が出そうです。
よろしければお立ち寄りください。
厚生労働省では、労働基準監督署の開庁時間中に電話や来署による相談ができない人のために
メールによる情報提供窓口を開設すると発表しました。
寄せられたメール情報は、事業場を管轄する監督署へ「情報提供」することとなりますが、
必ず記載すべき情報を記載しない場合は「情報提供」しないようです。
必ず記載すべき情報とは、
1.会社(支店・工場等)名名称
2.会社(支店・工場等)の所在地
3.労働基準法における問題等
となっています。
私見ですが、単なる情報提供にとどまると思われるので、
メール情報を基に監督署の調査が入ったりすることはないと思います。
おそらく、公益通報者保護法に基づく申告や定期監督、
災害時の監督の際に初めて引っ張り出されることになる程度でしょう。
また、このメール情報窓口がどの程度周知されるかも分かりません。
周知不足であればあまり使われないことは予想がつきます。
ただし、(匿名が認められるだけに)いたずらに悪意のある通報が増える可能性は残されています。
よろしけれたお立ち寄りください。
三菱電機(東京)の名古屋製作所で約8か月~6年10か月間働き、契約期間中に解雇された元派遣社員の36~45歳の男女3人が、同社と実質的な雇用関係があったとして、同社と派遣会社を相手取り、正社員としての地位確認と約1800万円の損害賠償を求める訴訟の判決が2日、名古屋地裁であった。
田近年則裁判長は「派遣契約を突然、中途解約しており身勝手だ」などと述べ、三菱電機などに計約140万円の支払いを命じた。一方、「三菱電機が派遣先としての権限を越え、派遣社員の人事労務管理を行っていたとは認められない」とし、正社員としての雇用契約の成立は認めなかった。
判決によると、同社はリーマン・ショック後の2008年12月、工場の生産を減らすため、派遣会社に労働者派遣契約の中途解約を通告。3人は翌年1~2月に解雇された。
判決は2人について、「労働者派遣法が製造業への派遣を禁止していた間は偽装請負により就業させ、製造業への派遣が認められてからも偽装請負を続けた」と認定した。そのうえで「法の規制をないがしろにした一方、生産の都合のみで中途解約した」と指摘。1人については「派遣契約を更新したばかりの時期に中途解約し、無節操な対応だ」と述べた。三菱電機は「主張が認められず残念。判決を検討して対応したい」とコメントした。(YOMIURI ONLINE)
有期雇用契約を締結している場合、その途中で解雇した場合、「やむを得ない事由がない場合は無効 」となります(労働契約法第17条)。
この「やむを得ない事由」は相当厳しく判断されることになります。
また、本件のような場合、派遣契約の解約によって派遣元が当然に労働者を解雇することはできません。
派遣元の対応としては、派遣先は連携して派遣先会社への就業をあっせんしたり、派遣元で他の会社への派遣を紹介する必要があります。
一方、派遣先は、中途解約に対して派遣元の合意を得て相当程度の猶予をもって申し入れることや、派遣先の関連会社で就業できるようにすることが求められます。
よろしければお立ち寄りください。
鉄鋼大手JFEスチールの東日本製鉄所京浜地区(川崎市)内で働いていた同社の下請け会社共和物産(東京)の契約社員4人が、解雇されたのは不当として地位確認などを求めた訴訟は1日、共和物産が解雇を撤回し、未払い賃金約2900万円を支うことなどで、横浜地裁川崎支部(福島節男裁判長)で和解が成立した。
原告側の穂積匡史弁護士は「全国で50以上の非正規社員切りの裁判が行われているが、職場復帰まで実現したのは異例で画期的」としている。
原告側によると、和解内容は4人が1日付で職場復帰し、共和物産は雇い止め期間の09年4月~11年10月分の賃金計2914万円に加え、JFE側と連帯して解決金を支払う。(東京新聞 TOKYO WEB)
4人は、09年3月に突然解雇されたのですが、
「労組の組合員を狙ったもの」「4人のうち2人は偽装請負状態であった」
と主張しています。
一方会社側は、
「急激な売上の落込みで人件費削減の必要性があった」
と説明していました。
和解条項は、このような点には触れず、雇用契約の存在の確認と未払賃金として解決金を示しています。
本件は、職場復帰を認めた上で解決金も支払う、労働者側に相当有利な判決となっています。
通常、有期雇用契約であれば、期間満了での終了となります。
しかし、更新手続きがずさんであったり、契約時に長期雇用を期待させるような言動や制度の有無など、様々な事柄を総合的に判断した結果、単純に期間満了とならない場合もあります。
企業においては、有期雇用契約を結ぶ場合は、このような点に留意する必要があります。
よろしければお立ち寄りください。
携帯電話機メーカーの日本法人ノキア・ジャパンの大阪事務所長で、
2005年にくも膜下出血で死亡した男性の妻が労災認定を求めた訴訟で、大阪地裁は10月26日、
「24時間、携帯の電源をオンにする勤務体制を求められていた」などとして過労死と認め、
遺族補償年金などの不支給とした国の処分を取り消しました。
裁判長は、男性の死亡前1~6カ月の時間外労働が1ヶ月当たり約63~81時間だったと認定し、
「休暇中や就寝中を含め、顧客からの通信障害などの連絡に24時間いつでも対応しなければならない
不規則な状態に置かれた」
と指摘し、量的にも質的にも過重な勤務だったとして、業務起因性を認めたものです。
国が労災と認定する基準は、1ヶ月間に100時間、もしくは2~6か月間に80時間を超える残業の有無
とすることが多いので、今回のケースのような残業時間では認めなかったということだと思います。
しかし、同時に、過重な負荷のかかる労働の有無も認定の基準になるのも事実です。
過労死=長時間にわたる残業の有無というイメージが強いのですが、
今後は、過重な負荷も重要なポイントとして認識していかなければなりませんね。
よろしければお立ち寄りください。
過剰なノルマや上司からの厳しい叱責など、職場のストレスによりうつ病などを発症し、
労災を申請する人は年々増加し、昨年度、労災を申請した人は過去最多の1181人と、
10年前のおよそ6倍に上っています。
しかし、従業員がうつ病などにかかるのを防いだり重症化を食い止めるため何らかの対策をとっていたのは、
去年の時点で調査した企業の半数にとどまっていて、企業のメンタルヘルス対策が課題となっています。
これを受けて、厚生労働省では、法律の改正を検討するための審議会が開きまた。
改正案では、企業に、
① 事業者はメンタルヘルス対策を義務づけ
② すべての従業員に、医師や保健師が行うストレスに関する検査を受診させること
③ 希望する従業員に対して専門の医師の診察を受けさせること
④ 医師の助言を受けたうえで勤務時間の短縮や部署を変えるなどの改善策を取ること
などを求めています。
厚生労働省は、今の臨時国会に労働安全衛生法の改正案を提出し、
早ければ来年の秋から実施したいとしています。
今後の注目点は、この改正案がすべての企業に適用されるようになるのか、
一定の企業規模に対しては猶予措置があるのかも見ていくことになりそうです。
よろしければお立ち寄りください。
業務上のちょっとした失敗に対し、始末書の提出を求めるケースは多いと思います。
始末書には、
業務命令に基づくもの、
管理監督権に基づくもの、
懲戒処分として就業規則の制裁に当たるもの
に大別され、気楽に提出命令を出すのは、業務や監督権によるものです。
懲戒処分となると諭旨解雇や懲戒解雇よりも軽い処分を行う際に付随的に提出させるのが一般的です。
提出命令を拒否して争いになったものも少なくないのですが、判例では、
「労働者の義務は労務提供義務に尽き、身分的人格的支配を受けるものではなく、
個人の意思の自由は最大限に尊重されるべき」
とされ、提出を拒否したことを理由にこれを業務上の指示命令違反として懲戒処分をなすことはできない、
という方向で固まっています。
また、懲戒処分として始末書の提出を求め、さらに別の制裁を加えることは、
憲法で禁止されている二重処分に当たる恐れが強いことにも注意が必要です。
最近では始末書ではなく、顛末書を提出させるという会社も増えています。
今日は午後から特定社労士関係の研修で東京会館まで行ってきます。
1年に1回の研修&試験ですので受講者の方は真剣です。
私たちもGリーダーを任された以上、全員に合格してもらうつもりで役目を果たします。
話し合は変わりますが、
平成18年4月から定年制度のある会社でも65歳以後の継続雇用が義務付けられています。
一般的には、定年でいったん退職扱いにして、
新たな労働条件を設定して再雇用するという方法がとられていると思います。
希望者全員が対象が原則ですが、
労使で継続雇用の基準を設定することで全員を対象としないことができます。
基準は事業主が恣意的に特定の対象者の継続雇用を排除しようとするなど
高年齢者雇用安定法の趣旨に反しない限り各企業の実情に応じて協定することが可能です。
多くの場合、
直近の健康診断の結果や過去の出勤率、金属年数などとなっています。
ところが厚生労働省では、
高年齢雇用安定法の改正に伴って、この「基準制度」を撤廃する方針を固めました。
つまり、定年年齢以後であっても、
希望者全員が65歳まで働けるということですね。
今月12日に始まった労働政策審議会で年末までに意見を取りまとめ、
来年1月に召集される通常国会での法改正を目指ようです。
ただし、初会合では、経営側の
「撤廃は、労働者の意欲低下や若者の採用抑制につながる」
との強い反発があり、労使の意見が対立しています。
埼玉就業規則サポートのサイト です。
よろしければお立ち寄りください。
自動販売機に清涼飲料水を補充する仕事をしていた男性が、入社4か月後の平成20年8月に過労自殺したのは、繁忙期の猛暑にかかる負担への配慮がなかったためとして、男性の両親が勤務先(大阪市住之江区)の運送会社に対し、約8280万円の損害賠償を求める訴えを起こすことが判明しました。
男性は1日15台前後の自販機の巡回をノルマとして、
ほかに、自販機の故障や客からの苦情対応、出発前前の洗車や帰社後の商品搬入が業務となっていました。
平成20年7月の大阪は、真夏日と猛暑日を合わせて29日間あり、
「商品が一瞬で売れ、全員がくたくた」状態だったとの証言もあるようです。
実際、男性の業務日報には「倒れそう」と記述され、
同僚の業務日報にも「体調管理したい」と過労を訴える記述もあったとされています。
安全衛生法では、①1か月の時間外労働が100時間を超え、②疲労の蓄積が見られ、
③本人の申し出があった場合は、医師による面接指導の実施を義務付けています。
会社を管轄する労働基準監督署が、
今年6月に自殺前1か月間の時間外労働が100時間を超えていたことから労災認定していることや
業務日報の記述などから、少なくとも①と②の要件は満たしているようです。
会社側の代理人は「安全配慮義務違反はなかった」と主張しています。
確かに、安全衛生法が求めている「医師の面接指導」に対しての違反はなかったかもしれませんが、
①と②の要件のみ満たしている以上、会社の責任を免れることは難しいと考えられます。
労務コンプライアンスが求められる現在、
このような訴訟を起こされると会社のイメージダウンは避けられません。
会社には、防止と早めの対応が必要です。
よろしければお立ち寄りください。

